桜切る馬鹿 梅切らぬ馬鹿

それってもしかして私のこと?

帰らざる日々

何か話さなきゃいけないわ

わかっているけれど

目の前を楽しい日々が

ぐるぐる回るだけ

    アリス『帰らざる日々』

    作詞・作曲:谷村新司 より

 

アリスがいた 帰らざる日々 忘れない

           てれんぱれん

谷村新司さんと言えばアリスです。ソロ活動をされるようになってからも、『いい日旅立ち』や『昴』などの名曲を残されましたが、私にとって印象深いのはアリスの頃の『帰らざる日々』(1976年)、『遠くで汽笛を聞きながら』(1976年)などです。これでもかというくらい暗い曲ではありますが、当時(70年代)、暗い曲は珍しくはなかったのだと思います。

大阪万博(1970年)、日米安全保障条約延長(1970年)、よど号ハイジャック事件(1970年)、三島事件(1970年)、天地真理さん『時間ですよ』(テレビドラマ1971年)『水色の恋』(歌1971年)、高野悦子さんの『二十歳の原点』(出版1971年、映画1973年)、あさま山荘事件(1972年)、上村一夫さんの漫画『同棲時代』(1972-1973年、テレビドラマ1973年、映画1973年)、日中国交正常化(1972年)、沖縄返還(1972年)、森昌子さん『せんせい』(1972年)、井上陽水さんのアルバム『断絶』(1972年)、桜田淳子さん『天使も夢みる』(1973年)、山口百恵さん『としごろ』(映画と歌1973年)、第一次オイルショック(1973年)、荒井由実さんのアルバム『ひこうき雲』(1973年)、 かぐや姫の『神田川』(1973年)、ダウン・タウン・ブギウギ・バンドの『スモーキン・ブギ』(1974年)、中島みゆきさんの『時代』(1975年)などが1970年代前半の主な記憶です。アリスのこの2曲も時代を反映した曲だったのだと思います。

『帰らざる日々』は1978年封切りの藤田敏八監督映画『帰らざる日々』(原作は第3回城戸賞入選作『夏の栄光』中岡京平著)の主題歌に採用され再ヒットしたそうです。(wikiより)

アリス『帰らざる日々』 

アリス『遠くて汽笛を聞きながら』

             画像AC

若い人達にとって出口がない、しかも道標らしきものも見つけられないような暗い時代の道標的存在がロックやフォークや漫画や映画だったのでしょうね。正真正銘の帰らざる日々ですね。アリスにも谷村新司さんにもたくさんのヒット曲がありますが、若い頃、上の2曲の歌詞が沁みて日々を過ごしていた時期があったように思います。谷村新司さんの歌詞には力がありました。つらく苦しいときの応援歌だという受け取り方ですね。この『帰らざる日々』と『遠くて汽笛を聞きながら』は2曲で1セットのように感じていました。

 

まだまだそのご逝去を受け入れられずにいます。

合掌

    2023.10.17  7時頃