『星とたんぽぽ』
金子 みすゞ童謡集 『わたしと小鳥とすずと』 JULA出版局 (1984.7.21第1刷) 1998.7.21第49刷 から
夜空
星とたんぽぽ
青いお空のそこふかく、
海の小石のそのように、
夜がくるまでしずんでる、
昼のおほしはめにみえぬ。
見えぬけれどもあるんだよ。
見えぬものでもあるんだよ。
ちってすがれたたんぽぽの、
かわらのすきに、だァまって、
春のくるまでかくれてる、
つよいその根はめにみえぬ。
見えぬけれどもあるんだよ。
見えぬものでもあるんだよ。
たんぽぽ
金子 みすゞさんが、科学の目を持つ詩人だといわれる所以です。
子供が小さかったとき、
「みえないけれどもあるんだよ
みえないものでもあるんだよ」
と、私は呪文のように唱えていました。
見えぬ星 言葉にならぬ 言葉知る
てれんぱれん
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