桜切る馬鹿 梅切らぬ馬鹿

それってもしかして私のこと?

高橋源一郎の飛ぶ教室  ーはじまりのことば

高橋源一郎高橋源一郎飛ぶ教室 ーはじまりのことば』岩波新書 2022.11.18

コロナ禍の2020年の、4月からNHKラジオ番組、“夜開く学校”「高橋源一郎飛ぶ教室」が毎週、金曜の夜に始まりました。そのオープニングの3分間の源一郎先生のお話を2年分まとめたものです。

読んで、本当に胸が痛くなったり子供の頃の自分が愛しく思えたりと、初めて経験する感覚にとまどいました。読んでよかった。源一郎先生のご両親のお話がときどき出てきます。それで、私も自分の両親の事を考えます。年をとり親と同じ年になって気づくことがあるのですね。その年令や立場になって初めてわかることや経験してみて初めて気づくことはたくさんあるのでしょうね。未来の70代の自分を想像しながら言葉を大切にしなければならない、人にはやさしくしなければならないと改めて思いました。源一郎先生は人を観る目がとても注意深く温かな方なのだと思いました。

 

本棚

彼らは、ちがっていました。彼らが読んでいたのは、その時代のいちばん新しい作家、思想家、哲学者のものでした。いま思えば、彼らは、センスのいい大学生と同じものを読んでいたのだと思います。(p.187)

買った本を読んでもわかりませんでした。それでもよかったのです。憧れて、背伸びをして、憧れて、背伸びをして、気づいたときには、ぼくは作家になっていたのでした。(p.187-188)

 

ファッションと同じように、本棚(読書)にもセンスがあるのですね。源一郎少年は、流行の最先端を行く本棚(読書)に?憧れて、背伸びをして、本を買って読み、ついに作家になったのでした。センスというものはそういうふうにして磨かれるのでしょうね。〇〇学や子育てにもセンスってあるのでしょう。憧れって大事!