桜切る馬鹿 梅切らぬ馬鹿

それってもしかして私のこと?

松たか子さんと着物

花衣 ぬぐやまつはる 紐いろいろ

             杉田久女

秋風に 和服なびかぬ ところなし

             島津 亮

帯替えて これで行こうと 鏡前

           てれんぱれん

  画像AC 松たか子さんとは無関係

2020年、アカデミー賞の授賞式での着物姿の松たか子さんには世界からたくさんの称賛の声が寄せられたそうです。総絞りに松皮菱?高麗屋の家紋?の刺繍で落ち着いた着こなしをしていらっしゃいました。帯は成人のときにも締めていらしたもので大きなお祝いの場で身につけていらっしゃる帯のようです。一般の人には手が出ない高価な訪問着だとは思いますが、世界的に注目されるような場での松たか子さんの着物姿はとても美しく私達一般の人間にとっても着物という日本文化を誇らしく思う場面だったと思います。

 

京ごふく 二十八 コラム 着こなし

 

松たか子さんがまだお若い頃、お祖母様(藤間正子さん)から譲られたという黄八丈の着物姿を披露されていました。私の記憶では、それが松たか子さんの着物姿を初めて拝見したときです。(私が他の女優さんと勘違いしていなければ、ですが。勘違いでしょうか?)

「小さいおうち」という映画では、私は松たか子さんの着物の着こなしや立ち居振る舞いが印象に残り素敵だと感じていました。

梨園に生まれ育った松たか子さんは、若くして日本舞踊の名取でもありました。着物が日常にある方に自然に身につく着こなしと立ち居振る舞いなのかと思っていました。

松たか子さんが成人の時に着ていらした振袖は、お祖母様がもとめられたものでその振袖に合わせた帯はお母様(藤間紀子さん)の成人のときのものだそうです。

       画像AC  松たか子さんとは無関係

梨園の方の着物は一般の人のものとは比べられないかもしれませんが、日本の着物はサイズさえ合えば(サイズ調整も少しは可能)、親から子へ、祖母から孫へと受け継ぐことができるサスティナブルな装いといえるものなのだと思います。着物というと贅沢品と思われがちですが、染替、仕立て直しなどもできますし、八掛けの色を変えると歳を重ねても着ることができ、また、着物と帯との組み合わせや着物や帯と帯揚帯締めとの組み合わせで印象がガラッと変わる、使い回しのきくものだと思います。