うらかなし 葵が天へ 咲きのぼる
三橋鷹女
天にはいけないタチアオイが、天に行こうとして咲いているのはなんだか悲しいということでしょうか?
のびきつて 夏至に逢ふたる 葵かな
タチアオイの花は、梅雨の間らしいので、夏至に逢ったという子規先生がご覧になったタチアオイは、背丈があったのでしょうね。写実主義・写生の子規先生です。
車窓から見たタチアオイ
凛として 風に吹かるる 立葵
伸びて伸び 天を仰げり
てれんぱれん
近頃、あまり見かけなくなったタチアオイです。あちらこちらを向いた花をつけスッとした立ち姿は凛として素敵だと思います。他の植物よりも高さがあるため、雨風を避けることができませんが、このタチアオイは、雨風に負けず雨上がりの花畑に凛と咲いていました。花畑の主のように他の花々を守っているようでした。
雨風に さらされてなお 立葵
てれんぱれん
車窓から見たタチアオイ
残念ながら、群生しているタチアオイを見つけることはできませんでした。本当に少なくなってしまったのですね。群生しているタチアオイは見ごたえがあるように記憶しています。昔、きれいだと見とれたタチアオイが群生していた場所は、今は駐車場になり、タチアオイは駐車場のどこにも見当たりませんでした。そこのタチアオイがとても美しかったので、園芸店をいくつも回り、タチアオイを探しましたが、どこにも売られてはいませんでした。そんなこともあったなあと懐かしく思い出しました。
タチアオイは植え替えを嫌うそうです。元々は宿根草らしいですが、一年草もあるそうで、枯れてしまうので種を取っておくと良いそうです。