長襦袢 洗って縮み 伸ばす秋
てれんぱれん
2023.9.16 6:30頃
秋ですね。
古い着物の整理をしていると古い長襦袢がシミになっていました。着物クリーニングにだそうか自分で洗ってみようかと考えますね。綿や化繊なら自分で洗う選択をしますが、絹ならばどうでしょう?
絹の長襦袢は水で手洗いするとまず縮みます。どれくらい縮むかというと、私の経験では2.5 〜3%縮みます。着丈120センチの長襦袢が洗って干した後に116〜117センチになっているということですね。実際、これくらい縮むと途方に暮れます。横方向の縮みはほとんどありませんが、縦方向の縮みはすさまじいものです。つんつるてんで着られたものではありません。
ですが、大丈夫!
縮んだ長襦袢を元のように伸ばす方法があります。
絹というものは、蚕の繭から紡ぎ出されたものです。人間の髪の毛と同じように扱ってあげればよいのです。
①20〜30℃のぬるま湯につけて、中性洗剤で押し洗い、シミになっているところは洗顔石鹸などでつまみ洗いをします。
②同じ温度のぬるま湯で3回すすぎ洗いをします。
③洗濯桶にぬるま湯を入れ、洗髪の後に使う髪のコンディショナーをほんの少し(小豆1〜2程度)をよくとかして長襦袢をつけなじませます。軽く押したり長襦袢を返したりしてコンディショナー溶液を長襦袢になじませます。
④洗濯桶のお湯を入れ替え軽くすすぎます。
⑤長襦袢をネットに入れて洗濯機で6分脱水します。
⑥脱水できたら濡れたままの長襦袢を手で縦方向に伸ばします。袖丈、着丈の長さは縮んでいないはずです。(洗う前に縮んでいたなら元の長さに伸びているはず。)
⑦長襦袢にアイロンをかけます。絹に合わせた温度(中位)で、縦方向に伸ばすようにアイロンをかけ、長襦袢を半乾きにします。
⑧衣紋掛けに掛けて長襦袢を室内に干します。
※参考 たかはし着物工房YouTube
『洗う編』『アイロン編』他
この方法で、見事に縮んだ絹の長襦袢を再生することができました。
・20〜30℃のぬるま湯を使うこと。
・洗剤は漂白剤が入っていない中性の洗剤をえらぶこと。
・手洗いで絹の風合いが損なわれたものを完全とは言わないまでもやわらかなツルツル感を少し取り戻すために髪のコンディショナーを使うこと。
・脱水は普通にする。
・濡れたままアイロン掛けをして半乾きにすること
などがポイントです。
この秋、着物のお手入れをする際には、古い長襦袢で一度試してみてくださいね。
※くれぐれも新しい絹の長襦袢でためすことはやめてくださいね。絹の風合いは少しは損なわれます。ご自分の古い長襦袢を新しく買い替えるか、クリーニングに出すかというようなときに、自己責任で試しているという感じでお願いします。
(。•̀ᴗ-)✧