天災は 忘れた頃に やって来る
警報前の雨空
我が家のある市は、昨日、大雨警報、洪水警報が発令されて警戒レベル4の避難指示が出された地域もありましたが、被害は大きくはなかったようです。今朝は、もう晴れていて、警報・注意報はすべて解除されています。月曜まで晴れ予報です。
関東でも線状降水帯が発生していて、交通機関の運転見合わせ、高速道路の通行止めなど、その影響は大きいようです。都や他府県、他地域での被害が少なく小さいことを祈ります。
冒頭の言葉の寺田寅彦先生について、松本哉(1943-2006)著『寺田寅彦は忘れた頃にやって来る』集英社新書 2002.5.17という書籍があるように、寺田寅彦(1878-1935)という方は、人々に尊敬され愛された方、今、現在も愛されている方であると思います。ノーベル賞級の研究から身近な現象を取り上げての科学啓発に業績が大きく、防災科学の先駆者でもありました。物理学者としてだけでなく、科学的なものの見方、考え方で綴ったエッセイは大変ユニークであり、随筆家としても俳人としてもご活躍された方でした。夏目漱石先生とは師弟関係にあり、漱石先生も寺田先生の文才を認めていらして、『吾輩は猫である』や『三四郎』の登場人物には、寺田先生がモデルとされる人物がいるそうです。
寺田先生の言葉には冒頭のものの他に、
・ものを怖がらなさ過ぎたり、怖がり過ぎたりするのはやさしいが、正当に怖がることはなかなか難しい。
・子どもを教育するばかりが親の義務でなくて、子どもに教育されることもまた親の義務かもしれないのである。
・ 健康な人には病気になる心配があるが、病人には回復するという楽しみがある。
・「知らない」と「忘れた」は根本的に違う。
などの言葉があります。
また、寺田先生の俳句には、以下があります。
柿渋し あはうと鳴いて 鴉去る
哲学も 科学も寒き 嚔(くさめ)哉
徒に 凍る硯の 水悲し
道路を流れる雨水 警報前
寺田寅彦先生は、科学と文学を融合させた方だと言われています。時代を超え、今の時代にも通じる数々の名言があり、当時としては時代の超最先端を行く方だったのだろうと思います。(科学的なものの見方、考え方をすることは、社会をより良い方向へ導く上で欠かせないことなのだと考えます。そうですよね。)
真実は 忘れた頃に 暴かれる
てれんぱれん
天才は 忘れた頃に 思い出される
(つまり、忘れられない)
てれんぱれん
雨で家にとじこもる時間に、寺田寅彦先生の随筆集などを読んでみるのもよいかもしれませんね。地震や津波などの天災についてのエッセイは、今の社会にも通じるものです。天才的な物理学者であることを証明する逸話には事欠かない方だったのだろうと思われます。
※このブログで、「〇〇先生」とときどき書いていますが、私と〇〇先生方が直接的な師弟関係があったわけではありません。敬称略とかなんとか書けばよいのでしょうが、なかなかそのようにしにくく感じていて〇〇先生と書いているだけです。敬称があってもなくても深い意味はないとご理解いただきますようお願いしておきますね。